「獄寺隼人くーん!!」



ザワザワとしていたみんなの昼食タイムの教室がシーンとなった瞬間。


そう、今、ひとりの男の名を大声で叫んだ人物。



それはあたし、




まあ、叫んだのは深い事情があるんだけど。


ええっと…あたしと獄寺は仲のいい友達なんだけど、獄寺があたしの大好きなくまさんのシャーペンを壊しちゃったの。


あ、でも、あたしは優しいから別にいいよって言おうと思ったんだけど、そしたら獄寺のやつ…



「このくまのどこがいーんだよ。ゴミだろ、こんなの。」



とか言っちゃって!!


あたしは大好きなくまさんをバカにされて超むかついたの。



だから、「獄寺のぶわかぁぁ!!」って思いっきり獄寺のほっぺをビンタしたの。



そしたら、それから獄寺のやつ、あたしを徹底的に無視してる。


あたしはかなりむかついて親友のに相談したら、


「あ、じゃあ、今大声で獄寺くん呼べば、さすがに無視はできないんじゃない?」


って言われたから実行してみた。




案の定、獄寺は真っ赤な顔をしていて。


席を立ってあたしの方に歩いてきた。




「ったく、バカかよっ。お前…。」



「え、何で?あたしを無視する獄寺が悪いんじゃない。」



「だからってよー、あー…もう、ちょっと来いっ!!」



もちろん、あたしの叫び声(?)のせいであたしたちはクラスの注目の的。


は隣でクスクスお腹抱えて笑ってるし。


獄寺はあたしの手を引っ張って教室出て行こうとしてるし。(獄寺、手痛い)


あーあ、もしかしてあたしって、かなり可哀想な人じゃない?





「むー、何よ、獄寺ー。」


「何よじゃねえよ、何よじゃ!!」


「じゃあ、あたしのこと無視しないでよ!!」


「してねーっつーの!!」


「してるじゃん!!」


「〜っ、だから、お前のことが好きだから意識しすぎて無意識にさけてたんだよ!!…って、あ。」


「…へ?」


い、今、獄寺…あたしのこと好きって言ったよね?


「あのさ、獄寺…、ドッキリじゃないよね…?」


「んな訳ねーし!!……おい。」


「なっ、何!?」


「しっかり、聞けよ。1回しか言わねーからな。」


「うっ、うん。」



ふぅ…と深呼吸をして獄寺はあたしと同じ様に叫びました。



「俺は、お前のことが好きだ!!」


ってね。


Hello! Love Story.
(こんにちは、あたしと君の恋物語。)









(09.02.07)
ちゃんは軽く天然入ってますね。あ、獄寺ってどんなキャラだったっけ…。