あーもうっ、暑いっ!! 何この暑さ。ホント今、冬? 太陽がジリジリ照りつけて、あたしの肌を焼いていく。 何でわざわざ、こんな暑い日に外にいるかって? それは、あたしの弟のテニスの試合を見に来ているから。 あたしの弟、切原赤也は全国大会の決勝にまでコマを進めた。 っていうか、赤也のあの目、やばすぎだよ…。 姉弟だけど、あたしはあんなの絶対できない!! あーもう、赤也、暴力的なテニスばっかして… 後でお母さんに言いつけようかなー。 さて、赤也の試合も終わったことだし、帰ろっかな♪ そう、立ち上がった瞬間― ドンッ 誰かとぶつかった。 「いでっ」 「きゃ、あっ、す、すみませんッ!!」 「あー、別にいいぜぃ。ぼーっとしてた俺も悪ぃし。」 「は、はあ……」 「つーか、お前、高校生?」 「は、はい…そうです。」 「名前は?」 「切原…。」 「切原ねぇ。まさかな…。でもあいつ、ねーちゃんいるって言ってたしな…」 「どうかしたんですか?」 「いや、何でもねぇ。あ、やっべ、もうすぐ試合じゃん。んじゃな。」 「え、ちょ、あの、名前っ……。」 「俺、丸井ブン太。シクヨロッ!!」 そう、ニカッと笑ってピースをした彼に、あたしの心は一瞬にして奪われた。 そして、奪われた相手が弟の先輩と知るまで、後、3秒。 恋になるまで、後、3秒。 恋の病は3秒間 (「赤也、あたし帰るね…って、「「あー!!」」) 「ってやっぱ、赤也のねーちゃんだったんだ…。」(09.02.07 / title:忘却曲線) |