切原赤也。



あたしの親友の好きな人。



そしてピーターパンは君の元へ(上)




「ちょっと、ー!聞いてよー、赤也くんと目合っちゃった!!」


「わー!よかったね、!」


あたしの名前は


そしてあたしの目の前の彼女はあたしの親友、


は学校のホストクラブともいえる男子テニス部レギュラーの一員、切原赤也が好きなのだ。



「えへへー、あれ、夏祭り?」


「あ、ホントだ。、行く?」


「う、うん。……ねえ、。」


「なーに?」


「あ、赤也くんたちも行くのかな…?」


「え……」


やっぱり、にとってはあたしなんかより切原の方がいいですよねー…。
(切原のやつ、あたしのを返せ!)


でも、あたしもの恋には協力したいし!


「じゃ、誘ってみる?」


「えー!無理だよー!!」


「まあまあ、あ!あのさー、切原ー!!」


「ちょ、ちょっと、っ…」


「おっ、じゃん♪何?」


「あ、えっとさ、夏祭り行くの?」


「おー、行くぜ?丸井先輩と仁王先輩と。」


あ、言い忘れてたけど、あたしとはテニス部のマネージャー。


だから、切原の言う、丸井先輩や仁王先輩ももちろん知ってる。



「マジ?ブンちゃん行くの!?」


ちなみにブンちゃんとは丸井先輩のことで、あたしの憧れの人。


「…何かやな予感。」


「えへへ、きーりーはーらー、あたしたちも一緒に行っていい?」


だけなら。」


「もー!!ダメじゃん、ブンちゃんが行くなら、あたしも行かなきゃ!」


「あー、はいはい。ま、行くなら一緒行こうぜ!」


「うん。じゃあ、6時に現地集合ね!先輩たちにも伝えといてね!」


「へいへい。んじゃな。」





「…っ、ありがと、ー!!」


「ううん、の恋のためなら何でもするよ!」




チクリ、と痛んだこの思いにまだあたしは気づいていなかったんだ。



そして、この夏祭りがすべてを変えることになるなんて、まだ誰も知らなかった。









(09.02.06 / title:エナメル)
季節感無視のこの作品^^